全国の外科医に読まれている医学書院さんの臨床外科という雑誌に当院が掲載されました。
周りの施設と比べて少ない規模の病院ですが、ひとりひとりを大切にした質の高い医療を提供しています。
皆さんにも読んでいただきたく文章をそのままの掲載させて頂きます。
2020年11月27日 蜂谷 裕之
~以下掲載内容~
蜂谷病院
Medical Team 88
群馬県は、羽を広げた鶴の形に似ているといわれており、当院のある大泉(おおいずみ)町は首の部分にあたります。県内で最も面積が小さい町で、人口は4万2千人です。大泉町は、外国の方の比率が19%と高率であることで知られており、全国で3番目(1位:北海道占冠村22%、2位:大阪市生野区21%)であります。内訳はブラジルの方が57%と最も多く、ペルー12%、ネパール5%です。これまでに、55か国の方が受診してくださいました。
大泉町唯一の病院である当院は、昭和37年に開院し、今年で58年目を迎えることができました。病床数は74床(一般26床、療養48床)で、診療科は内科、外科、肛門科、整形外科、内分泌代謝科(糖尿、甲状腺)、ペイン外来があります。栃木県の獨協医科大学病院の連携施設に認定されており、慢性期の転院先として地域医療へ貢献しています。当院も国際色豊かであり外国語を母国とする職員も診療に携わっており、まさにInternatinalな病院でもあります。院内には四季折々の風景画(初代院長の作品)や飾り付けを展示し、美術館の様な空間を作り、来院される方々の心を和ませるよう努力しております。院内の様子は、随時ホームページで紹介しておりますのでご覧頂きたく存じます。
2019年度の手術件数は208件でした。鼠径ヘルニア、肛門疾患、下肢静脈瘤、胆石症などCommon Diseaseの短期滞在手術に力を入れており、症例数は年々増加してきております。鼠径ヘルニアに対して腹腔鏡手術も積極的に取り入れており、下肢静脈瘤はレーザー治療も選択肢の一つです。また、胃癌、大腸癌などの手術、化学療法、緩和医療も行っており、診断から終末期まで一貫した医療を提供することを目標にしています。また、CVポート外来、PTEG(経皮経食道胃管挿入術)造設、デンバーシャントなど特殊な治療も行っております。我々の手術へのこだわりは自分が受けたい治療を皆様に提供することであり、そのために手術器具も開発して日々の手術に活かしています。(88ディセクターを使った下肢静脈瘤の瘤切除の手技 臨床外科:私の工夫 2018年73巻9号)今後は、近隣の施設から短期滞在手術症例だけでなく、悪性疾患も紹介してもらえるような地域の中核病院を目指していきたいです。
スタッフは、『Medical Team 88』のオリジナルロゴが入ったコスチュームを着用しています。チームとしての一体感や連帯感が生まれそれらは来院される方へ信頼感、安心感を与えることに繋がります。これからも専門性の高い治療を提供する中で、この地域では欠かせない皆様から愛される病院としてスタッフと供に歩んで行きたいです。
88はハチ・ヤ。ちなみにピアノの鍵盤の数も88個。多文化共生の大泉町で和音を奏でるピアノの様に調和のとれたチーム医療を行っていきたいと思っております。