人間は、年齢を重ねるにつれ、老化により体の筋力は低下していきます。
あごの筋肉も例外ではありません。
さらに、高齢者は、歯茎がやせてしまい、入れ歯が合わなくなったりすることで、上手に食べ物を噛むことができなくなる場合があります。
そこで今回は、「咀嚼(噛むこと)困難な方のための食事ポイント」についてお話したいと思います。
1.咀嚼しやすい食品,食形態を選ぶ
時間をかけてしっかり加熱した柔らかい食品や、細かく刻んだりした食品が良いでしょう。
2.食品を選ぶ
適する食品
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適さない食品
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ひき肉
(ハンバーグ・肉団子など)
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赤身肉・一枚肉
(ステーキ・焼き肉・とんかつなど)
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白身魚
(たら・かれい・たい・あじなど)・練り製品(特にハンペン)
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貝類
(あさり・しじみ・ホタテなど)・いか・たこ
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芋類
(ジャガイモ・さつま芋・里芋・とろろ芋・カボチャなど)
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豆類
(大豆・納豆)
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葉物野菜
(ほうれん草・白菜・小松菜・キャベツの葉先)
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根菜類
(ごぼう・れんこん・たけのこ)
生野菜
(トマト・きゅうり・レタスなど)
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豆腐
(木綿・きぬごし・卵豆腐・茶碗蒸し)
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きのこ類
(しいたけ・しめじ・えのき・きくらげ・エリンギなど)
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こんにゃく
(白滝・糸こんにゃく)
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海藻類
(わかめ・ひじき・昆布)
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《ポイント》
野菜や芋類は加熱すると生の時より柔らかくなります。
「適する食品」は歯が無くても、歯茎で噛むことができる食品です。
野菜は、葉先を使い、芋類やナスは皮をむいてあげるとより食べやすくなります。
肉や魚は、加熱すると野菜や芋類とは逆に硬くなってしまいます。
・肉が食べたい!→とんかつや焼き肉など一枚肉は硬いのでハンバーグや肉団子のような挽肉料理にしましょう。家で作るときは、つなぎ(卵・牛乳・パン粉)を多めに入れると柔らかくなります。
・さしみが食べたい!→「まぐろのたたき」や「ねぎとろ」は食べやすいと思います。
・果物→生の果物は硬いものが多いので缶詰の果物や、果汁の入っているゼリーにしましょう。
・カロリー不足→「マヨネーズ」や「油」を使いましょう
3.調理方法
煮る > 蒸す > 焼く > 生食 > 揚げる
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ミキサー > みじん切り > スライス > 一口大 > 乱切り
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今回は、上手に噛めない方の食事のポイントについてお話ししました。
調理方法や食品を選ぶ事で、上手く噛めない方でも食べやすい食事を作ることができると思います。
最後に、噛む能力は、高齢者は特に個人差があります。上記での事を試しながら、その人にあった食事を見つけるのが一番重要な事だと思います。